今日の論点

衆議院財務金融委員会では、地域の銀行・信用金庫・信用組合などに国が公的資金を投じる「資本参加制度」と、合併・経営統合を後押しする「資金交付制度」を定めた法律の改正案を審議し、全会一致で可決しました。改正の柱は、①資本参加制度の申請期限を「当分の間」へ変更、②資金交付制度を2031年3月末まで5年延長・上限額引き上げ、③大規模災害や感染症に備えた特例の常設化、④システム共同化への新たな補助の4点です。税・お金の観点では、預金保険機構が扱う資金(性質上、国民負担と無縁でない)の使途の透明性や、補助金がシステム会社の利益に吸収されるリスク、公的資金を受けた金融機関のモラルハザード防止が主な争点となりました。

主な質疑

「当分の間」はいつまで続くのか

一谷勇一郎からの質問

  • 資本参加制度の申請期限が「当分の間」と変わった
  • 市民には具体的にどれくらいの期間なのか分かりにくい
  • 具体的にどの程度の期間を想定しているのか?

金融庁企画市場局長・井上俊剛の答弁

  • 今回、短期的な経済変動への対応から人口減少という構造的問題への対応へと制度を位置づけ直した
  • 人口動態や地域金融機関の資本状況などをいろいろな状況を見比べて終了を判断する
  • 現時点で具体的な終了時期は見通せない

補助金がシステム会社の利益になってしまうリスク

峰島侑也からの質問

  • 銀行のシステムはオーダーメイドの一点物で、外部からの価格検証が極めて難しい
  • 特定のシステム会社に頼り続けなければならない構造が地方では顕著
  • 補助金がそのままシステム会社のもうけになってしまうリスクをどう防ぐのか?

金融庁企画市場局長・井上俊剛の答弁

  • 補助を受けるには「業務の合理化や収益性向上が見込まれること」を要件としており金融機関にはコストを抑える動機が働く
  • 審査を行う金融機能強化審査会の委員定数を6人から7人へ増やし、システムの専門家を加える方向で検討する
  • 補助金がそのままシステム会社の利益になる事態は想定しにくい

峰島からの再質問

  • 地方では選べるシステム会社が限られ、価格交渉力が弱い実態がある
  • システム専門家による審査の強化は有効だと評価するが、その実効性は十分に確保されるのか?

井上局長の再答弁

  • 専門性のある委員の選任は、法案成立後に関係政令の整備を進める中で具体化する

補助の上限額を30億円から50億円へ引き上げた根拠

大森江里子からの質問

  • 合併・経営統合への補助上限が30億円から50億円、特定ケースでは75億円へ引き上げられる
  • また補助の割合も一部で2分の1に上がる
  • 50億円という上限の算定根拠はどこにあるのか?

金融庁企画市場局長・井上俊剛の答弁

  • これまでの地域銀行の合併事例では補助の対象となる経費の平均が約150億円
  • 現行の上限30億円では多くの事例で実際にどれだけ補助されるかが3分の1を下回っていた
  • こうした実績を踏まえて50億円への引き上げが適当と判断した

大森からの続く質問

  • これだけの公的資金を使う以上、貸出金利の低下やコンサル機能の強化など利用者が実感できる形で地域に還元されるのか?
  • また、数字で「いつまでに何件」と区切る計画を示せるのか?

井上局長の答弁

  • 金融機関が提出する実施計画に「中小企業向け融資の円滑化」などの方策の記載を義務づけ、計画の履行状況をあとから経過を確認することで地域への還元を担保する
  • 統合件数は政策効果の指標として必ずしも適切ではなく、件数の目標や具体的な数字での出口を示すことは現時点では困難

効果をどう測るのか — 効果を測る指標の設計

峰島侑也からの質問

  • 制度全体について、どんな期間で何を計測する予定なのか
  • 統合件数を追うのか、経費率の変化や地域への貸出残高を見るのか?

金融庁企画市場局長・井上俊剛の答弁

  • 件数の多寡で政策効果を判断することは適切ではない
  • まず実施計画の履行状況をしっかりあとから経過を確認する
  • 法案では施行後5年ごとに制度を見直すこととしており、その際、学界の有識者の意見も聞きながら検証の在り方を検討する

預金保険機構とは何か — 知っておくべき基礎知識

近藤雅彦からの質問

  • 若い世代には預金保険機構の役割がなじみ薄くなっている
  • 国民に分かりやすく機構の役割と機能を説明してほしい

金融庁監督局長・石田晋也の答弁

  • 破綻処理の機能として、破綻した金融機関を引き継ぐ救済先に資金援助を行う
  • 「ペイオフ」として、預金者への元本1,000万円とその利息を払い戻す
  • 今回の法改正に関わる機能として、支援先金融機関の株式の引受けと適切な管理・処分を行う

公的資金の受け手に対するモラルハザード対策

近藤雅彦からの質問

  • 公的資金を受けた協同組織金融機関でいわき信用組合のような不正融資事案が起きた
  • 今回の改正を踏まえた具体的な監視強化策はどのようなものか?

金融庁監督局長・石田晋也の答弁

  • 新設した「協同組織金融モニタリング室」を活用し、財務局と連携して立入検査を有効に使う
  • 資本参加先に対しては経営管理体制・法令遵守体制の検証を厳格に実施する
  • 情報受付窓口を活用して幅広い情報収集も行う

災害や感染症への特例の常設化 — どんな事態で発動されるのか

大森江里子からの質問

  • 内閣総理大臣が「告示」することで特例が発動される仕組みだが、発動基準をどう決めるのか
  • 激甚災害の指定と連動するのか?

金融庁企画市場局長・井上俊剛の答弁

  • 被害の態様は災害ごとに異なるため、あらかじめ詳細な基準を設けることは必ずしも適当でない
  • 南海トラフ地震などは該当しうるが、激甚災害への指定で自動的に特例が適用される仕組みは想定していない
  • 地政学リスクによる経済環境の変化は災害・感染症とは性質が異なり、特例の対象外

農林中金の巨額損失と協同組合系金融機関の会計ルール

牧野俊一からの質問

  • 農林中金は外国債運用で2024年度に1.8兆円の損失を出した
  • 短期で借りるコストが長期運用の利回りを上回る状態が続いたためとされるが、経緯を詳しく教えてほしい
  • 公的使命の強い協同組合系金融機関について、保有国債の簿価会計を例外的に認めるなどの特例を検討できないのか?

農林水産省大臣官房審議官・岩間浩の答弁

  • 農林中金は高格付の長期米国債を中心に運用していたが、欧米の相次ぐ利上げで短期で借りるコストが長期運用の利回りを上回る状態が発生した
  • 早期に解消されると見て保有を続けたが解消されず、2024年度中に順次売却して1.8兆円の純損失を計上した
  • 貯金者保護の観点から他の協同組織金融機関と同様の基準を適用すべきであり、簿価ではなく時価で評価することが適切

地方自治体の借入規制と地域経済の活性化

河村たかしからの質問

  • 地方財政法5条は自治体の借入項目を公共事業などに限定し総枠も制限している
  • この規制が地方自治体の主体的な経済活動を阻んでいる
  • 地財法5条の廃止を検討するつもりはないのか?

総務省大臣官房審議官・橋本憲次郎の答弁

  • 健全財政の確保と世代間の負担の公平の観点から設けられた規定であり、廃止については慎重であるべき

財務大臣・片山さつきの答弁

  • 地方財政法は総務省の所管であり財政上の健全性確保の観点は踏まえざるを得ない
  • 議論は別途深めたい

あなたの家計への影響

Good!もしあなたが地域の銀行や信用金庫に預金しているなら 今回の法改正で、金融機関が経営危機に陥った際の国の支援の枠組みが延長・拡充されます。万一の破綻時には預金保険制度(ペイオフ)により元本1,000万円とその利息が保護されますが、今回の公的資金制度はその前段階として金融機関の経営を下支えし、破綻そのものを防ぐ役割を果たします。制度の詳細は預金保険機構のウェブサイトで確認できます。自分が利用している金融機関が公的資金を受けているかどうかも調べておくと安心です。

SO-SOもしあなたが地元の中小企業や個人事業主として資金調達を必要としているなら 今回の改正で地銀・信金の経営基盤が強化されれば、融資余力が維持・向上し、借りやすい環境につながる可能性があります。一方、金融機関が統合・再編された場合、担当者が変わったり支店が統廃合されたりすることも考えられます。取引先の金融機関が合併・統合を検討しているかどうかを確認し、経営相談の窓口として中小企業庁の「よろず支援拠点」(全都道府県に設置、無料)も活用するとよいでしょう。

SO-SOもしあなたが農協(JA)の組合員や農林中金に貯金をしているなら 農林中金は2024年度に外国債運用で1.8兆円の損失を計上しました。損失は既に処理済みで現時点で貯金の保護に直接影響するわけではありませんが、協同組合系金融機関の経営健全性に対する関心は高まっています。JAバンクの貯金も預金保険制度の対象ですが、自分の貯金がどのように運用されているかを年次報告書などで確認しておくことをお勧めします。

Bad...もしあなたが「税金の使われ方」を気にする納税者なら 預金保険機構の資金は形式上は税金ではありませんが、万一損失が生じれば最終的に国民負担につながる性質を持っています。今回の法改正では「資本参加先の業務純益が全国平均との差をおおむね改善している」などの実績が示された一方、具体的な数字で「いつまでに何件」と区切る計画は「現時点では示せない」とされました。附帯決議では「将来的に国民負担を生じさせないよう費用対効果を勘案し、必要に応じて見直しを検討すること」が政府に求められています。施行後5年ごとの見直し状況を引き続き注視することが大切です。


この記事はAIが会議録をもとに作成した下書きを編集したものです。 正確な内容は会議録原文をご確認ください。